【インタビュー】 佐藤佳文の場合

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ミスターストイック。大学生なのにね。

目線を落としていつもの照れ笑いをしながら、何度も「ガチでインタビューするんですか?」と繰り返すのは立教大4年生の佐藤ちゃん。

最近、新しいことを始めるときには必ず声をかけさせてもらっていて、時にメンターとしての立場で僕も勉強させてもらっている。fibraを紹介してくれたのも佐藤ちゃんだった。

照れ笑いの隙間に見せるするどい意見や視線には、ここのところすっかり社会に出る準備が完了した様子と「成長」の跡がはっきり見られる。

彼と最初に会ったのはクライアント先で、インターンとして働いていた頃だった。

「今思うと、あの頃の自分は何もかも中途半端だった気がします。インターン先の企業にも申し訳ないです・・。」

僕はインターンや新しく入社する子にはよく最初の挨拶の際に、少しの頼みごとを一つする。facebook上で困り果てた僕の友人からクーポンアプリの使い方について質問が来ていたので、佐藤ちゃんに転送することにした。

残念ながら、大抵の子は「やっておきます!」のまま業務に埋もれてそのまま終わってしまう。その時も同じ反応かと思いきや、すぐにいくつかのURLが送られてきて、いくつかの解決策を僕にくれた。更に違う解決方法を英語サイトなのに調べて再度メッセージをくれた。そして、その日のうちに「あの件は解決しましたか?」という進捗確認まで。当時、近所の和菓子屋さんのfacebookページを創っていると自信なさげに語っていたギャップが印象的だった。

「独学でプログラムに目覚めました。今は面白くて仕方ないって言うかハマってます。

夢中で勉強をしながら自分のブログに成果を残していった。でも独学の限界を感じることになる。

HTML5、PHPなどの構文勉強ノート「チュパカブラの勉強日記」

 

「独学だとやっぱりダメでした。没頭したけど限界がありました。」

実践でやってみたい、本気でやってみたいと思っていた時、偶然twitterでアシスタントを募集していた会社の募集要項を見つける。迷わず即応募した。ゲームコンテンツ開発系のその会社は、まさに自分が望んでいた環境だったと言う。

インターン入社後は、最低限の基礎を先輩に教えてもらいながら、その後は自ら「社畜」と名乗り、がっつりプログラム三昧の日々。

そんな勉強の中、半分素人に飛び込んできたのは複合施設のタッチパネルのプログラム開発だった。

「実践の場は全然違った。サービスの向こうにお客さんもいるし絶対厳守の納期もある。あと開発の現場ではクライアントとの仕様のやり取りで、エンジニアでもコミュニケーションが必要なんですよね。これは、やること終わってないのに遊んでられないと思った。納期間近は徹夜続きで、正直、逃げたかったけど、もう絶対にやってやろうと思いました。

「今はやるんだったら最後までやりきりたいです。中途半端はなんか気持ち悪いです。」

と、最後までやりきった。

そして、クライアントからもインターン先の社長や先輩からも「ありがとう」と一緒に「評価」をもらった。周りからやっと認められ仲間になった気がしたという。

そしてなにより友達に自慢した。親にも自慢した。そんな両親も実際に現場に行って、決して表には出せない息子の作品を陰ながら喜んだ。

「クライアントの依頼でも自分の作品のように考えるとめっちゃ愛着がわきました。結果的にいいものができるんだな。とすごい思いました!」

リリースの日は偶然立ち会ってました。何の話をしてもずっと「バグがあったらどうしよう・・」と気になって、何の話をしてもずっと上の空だった佐藤ちゃん。今回の経験は自分の「自信」につながる大きな成功体験となったようだ。

そして僕がメンタリングをしたからだよね、と言いたいところではあるけど、残念ながら全て彼自身が「自分の意志」で判断し得た、リアリティある体験であることは間違いない。

しかも大学生の時期にね。

今回なぜ「本気になれた」か?を一緒に分析してみると、結局今までは「できること」しかやらなかった。でも今回は「できないこと」をやりきった。

マクドナルド原田さんの言うとおりだ。小さいかもしれないけど、新しいことへの挑戦を成し遂げたわけだ。いまはなんでもできる気がすると、その勢いを思わず止めたくなるほどテンションには、以前には見られなかったゆるぎない自信がある。

まだイメージつかないだろうなと思ったけど、彼の未来を聞いてみた。

「10年後は32歳ですね。甘いかもしれませんが、なんて言うかのんびり暮らしたい(笑)。その後は、世界を飛び回っていたいです。20代のうちにビジネスパートナーを見つけて、海外にいても取引できるようにしたい。いつまでもプログラムできないと思うので、僕には全然足りないコミュニケーション能力を身に着けて、上流の仕事ができるようになりたいです。今後も色々教えてください!」

インターンするようになってからの相方。使いこんだ東芝:dynabook。

ぜんぜんのんびりできない性分なんだろう。

でも最後まで謙虚な姿勢を崩さない彼は最後まで貪欲である。そして、直近やりたいこともたくさんあるという。

・facebookのクーポンアプリを創りたい!
・HTML5のライブラリを公開したい!
・もっと新しい自分にしかできない開発をしたい!

そんな佐藤ちゃんに僕からもとっておきのアプリ企画の案を話した。最近の彼との会話はいわゆる要件定義みたいなものだ。

正直、構想ばかりで実際に行動に移さない、移せないケースが多い中で、彼は人のために働き、最後までやりきって「実績」というお金以上の大きな対価を、リアリティある経験を得た。

そう大学生の時期にね。

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投稿者プロフィール

助田 正樹
株式会社イノセンティブ 取締役 :一般社団法人 日本ディレクション協会 理事
東京都品川区出身の1976年7月生まれ。桜美林大学経済学部を卒業後、ソニー株式会社にて、シックスシグマというマネジメントツールのR&D、広報などクリエイティブ業務に従事。2005年からインターネットベンチャーでWebディレクターとして数社経験。その後「LINKAGE」という商号でフリーランスとしてWebディレクション業務で活動。コーポレート、リクルート、モバイル、デジタルサイネージ、リアル連動など様々なWebサイト、システムの構築、新規事業プロジェクト企画、立ち上げを経験。(参照:実績)2012年6月に株式会社イノセンティブ取締役に就任。GARAGE AKIHABARAを立ち上げる。日本ディレクション協会ファウンダー。メンタルマネージャー資格保有。