【インタビュー】 倉田隆弘の場合

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コーチング。コンサルティング。お師匠様。

ソニー時代にシックスシグマのカリキュラムを一緒に創り、研究開発部門や設計開発領域への導入、コンサルティングを行っていた倉田さんが独立したのが2011年6月。僕のコンサルティング顧問として、企業コンサルティングの相談をさせて頂いている。

株式会社メタ•フォーカスでは、倉田さんが過去に経験してきたLSI設計の領域で主にAVメーカーへコンサルティングを行っている。そして今年に入ってコーチングの資格を取得し、いよいよサービスを本格稼働する倉田さんに話を伺った。

助田:いつもお世話になってます!改めまして宜しくお願い致します。

倉田:助ちゃん宜しく!いつも通りの話し方でいいのかな!?

助田:いつも通りで問題ないですよ(笑)。さて、今回はメタ•フォーカスとして新しくサービスを展開していこうということですが、概要を簡単に説明して頂けますか?

倉田:はい。メタ•フォーカスは現在、AVメーカーのLSI設計部署で社員育成のためのコンサルティングをやっています。

また、社内研修用カリキュラムを作成して、実際に研修を行う講師を育てています。基本はシックスシグマの考え方をベースにして、主に設計開発の部門にて業務プロセス改善コンサルティングや今年取得したコーチングのスキルを使って、部署が持つ課題解決の支援やマネジメント層へのコーチングを行っています。

助田:倉田さんの経験を活かした業務なんですね。簡単に経歴を教えてください。

倉田:学生のころはアメリカに留学していて、アメリカ州立オハイオ大学でコンピューター関係のマスターを取得しました。その後、モトローラに入って3年ほどマイクロプロセッサの設計をやってました。いわゆるエンジニアですね。

その後、ソニーに入りました。ソニーでは米国カリフォルニア州サンノゼで、研究開発組織を立ち上げました。現地のマネージャーやエンジニアの採用、LSI開発環境の構築から始めるというゼロからのスタートでしたが、その後50名ほどの組織に成長し、戦略的なCPUコア開発に貢献しました。 海外で事業部の立ち上げを経験できたのはとても大きかったです。当時、最先端技術であったRISC型CPUのアーキテクチャーを使ったCPUコアの設計や、そのコアを使ったセットトップボックス用のSoC(System on Chip)などの、半導体デバイスの設計開発業務を行いました。

その後、ソニーでは、コーポレートプロジェクトとして、ソニーシックスシグマがスタートしました。設計開発分野での品質改善が課題だと感じていた僕は、開発系部署のマスターブラックベルトとして、ソニーシックスシグマに参画しました。その後、統計分析の能力を評価され、ヘッドクォーターのソニーシックスシグマ総合推進室に、コーポレートトレーナーとして異動することになりました。

助田:お会いしたのはその頃ですよね。僕はソニーシックシグマ総合推進室のカリキュラムを開発する部署にいて、研究開発分野、設計開発分野などへのアプローチであるDFSS(Design For Six Sigma)を開発する倉田さんのお手伝いをすることに。

倉田:そうそう。懐かしいね。あの頃も楽しかったね!

その頃、シックスシグマの導入が遅れていた開発系ソニー関連会社やソニー社内部署へのコンサルティングも行っていました。コンサルティングを担当したプロジェクトがシックスシグマのカンファレンスで賞を取るなど、模索しながら分からないながらも徐々に自信をつかんでいったのを覚えています。とてもいい経験でしたね。

ソニーを卒業した直後、シンガポールで行われた、世界規模の大会で、ソニーでのシックスシグマ活動や、助ちゃんと開発したDFSSを発表する機会があって、その結果、会場でPivotal Resources Inc.にヘッドハントされました。研修やコンサルティングではマレーシア、シンガポール、香港、タイなんかにも行きましたね。

その後は、いくつかの会社のお手伝いをしながら、助ちゃんに相談してついに自分の会社を起業することになり今に至るって感じです。

助田:ありがとうございます!ちなみにコーチングを取得されたきっかけはなんだったんですか?

倉田:コンサルティングをやっている時に、プロジェクトリーダーなどを見ていつも思うことは、「やらされている感」が出てしまっている人がとても多いことです。腑に落ちていないままプロジェクトをやっている方が多いなあと…。

シックスシグマのコンサルティングでは、改善のためのフレームワークが既に用意されていて、それに従ったソリューションの提供を行います。つまり、「改善の手法はこうすべきですよ」と言ったタスク軸でのアプローチになります。但し、このアプローチには弊害がありました。プロジェクトリーダーが納得しないまま活動を行うと、活動自体が形骸化してしまい、期待した改善結果が得られなくなってしまいます。そこで、プロジェクトリーダーには自らモチベーションを持って改善活動を行ってもらうことが重要だと思うようになりました。

そのとき出会ったのがヒューマン軸でのアプローチであるコーチングだったのです。 タスク軸とヒューマン軸との双方向のアプローチがあって、継続的な改善活動が定着するんじゃないかと…。実際に現場で改善活動を推進するためのモチベーションを喚起して、もっと主体的にプロジェクトに取り組んでもらいたいと思って、コーチングの手法を取り入れるべく、勉強をしました。そして、コーチの認定も取得しました。現在は管理職向けにコーチングの手法を取り入れて、その結果円滑に進められるようになったプロジェクトも増えてきたんですよ。

助田:なるほど!効果ありですね。でもコーチングって誰にでも適用できるわけではないんですよね?合う人、合わない人ってどんな人ですか?

倉田:一般的には対象者に心を開いてもらう必要があるので、そうならない人は難しいと思います。それは良い悪いでなく、合う合わないという相性の問題も当然あります。僕自身はあまり苦手なタイプはいないのですが、耳に優しくない確信を突く質問によって、痛いところに切り込むこともあるので、自分は完ぺきだと言う自己主張がある方は、拒絶反応というか、プライドが邪魔してFact Findingできない場合があります。

心を開いてもらうために、自分を信頼してもらうことを心がけています。 一方、仕事における自分の責任範囲が広くて、明確で、能力があるけれども、様々な制限があり、うまく前に進めずに、日々もやもやしている人にとっては、もっとも効果が得られると思います。例えば、組織変更などで今までとは違った環境になると、人間関係を含めて、新しく関係を構築する必要があります。新しい環境には必ず障壁があって、特に管理職クラスだと相談相手も少なく、一人で壁を超えることが難しい状況がたくさんあります。

僕は現場と環境変化の大変さを身をもって経験してきたので、未然に防げるリスクや部下のモチベーションを上げることの必要性を理解しており、そのための手段を持っています。その経験も活かして、管理職向けのコーチングを中心に価値を提供できると思っています。

助田:メタ•フォーカスとしてはそのあたりのニーズをよく知る倉田さんならではのサービス提供をされるんですね。

倉田:そうですね。業務のプロセス改善が必要で、特にLSIなど設計、開発の部署であれば期待以上の価値を提供する自信がありますね。

コーチングに関しては、メーカーの部長さんや課長さんなど管理職の方々と一緒に仕事をしているので、ゆくゆくは経営層向けのエグゼクティブコーチングの領域まで広げていきたいと考えています。コーチングは、初回のトライアルと、30分×9回のセッションで構成されています。初回のトライアルは無料で行っています。 今の課題は、提供できるサービスの範囲を広げていくことにあります。

提供するサービスとしては、主に社内管理職向けの研修、カリキュラム開発や、コミュニケーションワークショップなどの開発を軸に、今後サービスを展開していきたいと思っています。

助田:ありがとうございます!最後にいま悩んでいるメーカーの管理職の方々へメッセージをお願いします。

倉田:今は特に日本の「ものづくり」企業は大きな壁に遭遇しています。造れば売れた時代からの変化もあって、海外との関係など外的要因も少しづつでも確実に変化しています。

社内においては、世代間の価値観や考え方のギャップなど内的要因も含めて、管理職の方々にとってはとても大変な時期にあると、コンサルティング先からの声として日々聴いており、そういった状況を実感しています。そんな今の時代だからこそやるべきことは多く、タイムリーな対応が必要になります。会社から与えられたことだけをこなすのではなく、主体性を持って「考える」、そしてチームに「考えさせる」ことがとても重要だと思っています。でも、独りですべての課題を抱えることなく、コーチやコンサルタントをうまく使って、前向きに課題解決に取り組めばいいのです。

僕は話をじっくり聞いて、プロジェクトを進めていきたいタイプのコンサルタントです。決して独りで問題を抱えずに、一緒に価値創りについて考えましょう!

プロフィール

1958年11月生まれ。アメリカ州立オハイオ大学大学院を卒業し日本モトローラ株式会社からソニー株式会社に入社。ソニーシックスシグマのMaster Black Beltとなり、Design For Six Sigma (DFSS) を開発。トレーナーの教育、300を超えるR&Dプロジェクトのコンサルティングを行う。現在は株式会社メタ•フォーカスを設立し、ソニー関連会社にてプロジェクトマネジメントのコンサルティング、コンサルタント教育及びトレーニングを行っている。Pivotal Resources Inc.のシニア・コンサルタント兼任。

株式会社メタ•フォーカス 代表取締役 
倉田隆弘
https://www.facebook.com/takahiro.kurata.56

投稿者プロフィール

助田 正樹
株式会社イノセンティブ 取締役 :一般社団法人 日本ディレクション協会 理事
東京都品川区出身の1976年7月生まれ。桜美林大学経済学部を卒業後、ソニー株式会社にて、シックスシグマというマネジメントツールのR&D、広報などクリエイティブ業務に従事。2005年からインターネットベンチャーでWebディレクターとして数社経験。その後「LINKAGE」という商号でフリーランスとしてWebディレクション業務で活動。コーポレート、リクルート、モバイル、デジタルサイネージ、リアル連動など様々なWebサイト、システムの構築、新規事業プロジェクト企画、立ち上げを経験。(参照:実績)2012年6月に株式会社イノセンティブ取締役に就任。GARAGE AKIHABARAを立ち上げる。日本ディレクション協会ファウンダー。メンタルマネージャー資格保有。